物流コスト削減のポイント・手法を徹底解説します!

物流コストの削減は多くの製造業・小売業・EC事業者が取り組み、頭を悩ませている業務の一つです。「売上げに対する物流コストの比率が高い」「輸配送費は年々上がる一方…」どう改善したらよいかわからず、改善が進まないケースもあるでしょう。

 

今回は、まず物流コストの内訳などの基本を解説したうえで、改善への取り組み・実例を紹介します。物流における課題解決の参考にしてください。

 

物流コストとは​

物流コストとは、消費者が購入した商品が手元に届くまでの、物流業務全般にかかるコストを指します。物流コストというと配送コストがイメージしやすいですが、それ以外にも様々な費用が物流コストとして計上されます。

 

また、物流コストには大きく分けて3つの分類の方法があります。

分類別物流コスト
  • 支払い形態別コスト…外注・社内に分類「支払いコスト」「社内物流コスト」
  • 物流機能別コスト…機能別に分類「輸送費」「保管費」「包装費」「荷役費」「物流管理費」
  • 物流プロセス別コスト…製造から販売までのプロセスに分類「調達物流費」「販売物流費」「社内物流費」

誰がどの視点で物流を見るか、切り口によって分類の仕方が異なります。

 

物流コスト削減を考慮しなければならない理由

「利益を生まないコストセンター」と比喩された時代もある物流。見方を変えれば、売上げに対する物流コストの比率を下げれば、利益の向上に直結します。

 

ところが近年、この売上高物流コスト比率は上昇傾向にあります。公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会の「2021年度 物流コスト調査報告書」によると売上高物流コスト比率は2021年度は前年との比較で0.32%上昇。2020年度も0.47%上昇しており、過去20年間の調査の中で最も数値が高い5.7%の結果になった発表しています。

 

この背景にあるのは、労働力不足による運賃の値上げです。SDGsの観点や業界の動向から値上げ要請に応じる企業がほとんどであり、買い叩きに頼る物流コストの削減は時代錯誤ともいえます。そのため、物流コストにおける根本からの見直しが重要となってきました。

 

物流コストの内訳

物流コストの削減などを考える際にポイントとなるのが、何をするためにいくらかかったのかという点です。ここでは「機能別のコスト」に着目し、それぞれの内訳を紹介します。

 

輸送費​(運送費)

輸送費は商品を運ぶときにかかる費用です。工場から物流センターなど長距離を移動しながら大量に商品を運ぶときの輸送費、消費者へ商品を届けるときの配送費などが含まれます。場合によっては船や飛行機も使用されるでしょう。物流コストの中でもっとも高い割合を占めていて、コスト削減の際には真っ先に見直されるコストです。

 

また、燃料費なども関わってくるので、時勢の影響も受けます。

 

保管費​

倉庫などに商品を保管するにあたり、必要になる費用です。外部倉庫を使用する場合、次の2種類に分かれます。

 

  • 倉庫のスペースをレンタルするのみの場合「賃借料」
  • 保管から商品管理を任せる寄託契約を結ぶ場合「保管料」

 

保管料について、よく使用される計算方法は、以下の3種類です。

 

  • 個建て保管料……商品数と保管日数をもとに算出
  • 容積建て保管料……サイズと保管日数をもとに算出
  • 坪貸し保管料……使用するスペースの広さと坪単価をもとに算出

 

どの保管費の算出方法が良いのかは、取り扱う商品によって異なります。

また自社倉庫を使用する場合には、倉庫やマテリアルハンドリング機器の減価償却費、維持費などが保管費に当たります。

 

荷役費​

外部委託する際に、商品を物流拠点に入荷・出荷する作業において、荷物の積み下ろしにかかる費用です。以下のようなものがあります。

 

  • 入庫費……1ケースあたりの入庫費用と入庫数をもとに算出
  • 出庫費……算出方法は入庫費と同様。ピッキング料とも呼ばれる
  • 流通加工費……タグやシール付、ラッピングなど

 

輸出の場合はその他の諸経費がかかる場合もあります。

 

人件費(物流管理費)​

自社物流を行う場合、物流業務に関わる作業をしているスタッフの給料は人件費として考えます。梱包や配送業務を担当しているスタッフだけでなく、物流システムの管理をしているスタッフなども対象です。

 

人件費の計算は、社内スタッフの何人が何時間程度、物流業務を担当しているのかという点を計算が必要で、簡単にはいきません。しかし、コスト削減のためにはできるだけ詳細な数字を求めるのが良いでしょう。

外部委託をする場合には、作業員の人件費は荷役費に含まれる場合もあります。

 

物流コストの中でも大きな割合を占める項目です。

 

梱包費​(包装費)

梱包費とは梱包資材の購入費用を指します。外注している場合は人件費が梱包費に含まれる場合もあります。

物流コストを削減する際の課題と解決方法​

次に物流コストを削減するにあたり、課題となる点と解決方法を紹介します。

 

適切な在庫管理​

適切な在庫管理ができていないために、物流コストの保管費が高くついていないか確認しましょう。以下のような例が挙げられます。

 

  • 欠品を恐れ、大量の在庫量を抱えている
  • 倉庫内整理ができていないため、ピックアップに時間がかかったり賃貸料がかかりすぎたりしている
  • 倉庫内で適切に管理できていないため商品が劣化し、販売できない

 

物流コストに悩む企業で上記のような点が思い当たる場合、適切な在庫管理方法を知り、実行することで課題を解決できる可能性があります。課題解決のためには以下のような方法があります。

 

  • 物流業務のルールやフローを見直し、徹底する
  • 在庫管理システムを導入する

 

参考:在庫管理とは?そのメリットやよくある課題の解決法をご紹介。

ルールやフローを見直すことで無駄が省かれ、守ることで効率的に仕事を進められます。特にベテランスタッフが専任で倉庫業務をになっている場合、ルール化されていない業務があり、新人スタッフでは対応しにくいです。慣習などもルール化し、誰でも同じように業務をおこなえるよう工夫します。

 

在庫管理の基本、「先入れ先出し」についてこちらの記事でフローも詳しく解説しています。

先入れ先出しとは?在庫管理におけるメリット・デメリットを徹底解説!

「欠品」についてはこちらの記事も参考にご覧ください。

欠品を防止することで通販売上アップ、業務効率化へ

商品が欠品した時のメールの書き方とは?実際に使えるテンプレートも!

 

また、欠品しないように大量の在庫を抱えている場合は、在庫管理システムの導入が効果的です。リアルタイムの在庫数を確認したり、データから需要を予測したりすることで、適正在庫を維持するための対策を講じることができます。

 

在庫管理の方法・在庫管理システムについてはこちらの記事をご覧ください。

在庫管理とは〜WMS(在庫管理システム)を導入するメリット〜

適正在庫・安全在庫についてもこちらの記事で解説しています。
在庫回転率とは?適正在庫を保つための方法をご紹介。

安全在庫とは?安全係数や欠品許容率を含めた計算方法までご紹介!

人件費削減を目指す​

人件費は物流コストの中でも高い割合を占めており、削減できると効果が大きい項目の1つです。以下のような課題が考えられます。

 

  • 人為的ミスが多く、ダブルチェックやミスの対応のための人件費がかかっている
  • 閑散期と繁忙期の物流量の差が大きく、繁忙期に合わせた数のスタッフを雇用している

 

これらの課題に対応するためには、以下のような方法が考えられます。

 

  • 在庫管理システムや機器を導入する
  • 物流業務をアウトソージングする

 

人為的ミスへの対応するには、ミスが出ている業務を機械化・自動化することで改善可能です。例としては、在庫管理システムやハンディターミナルなどの導入があげられます。

 

また繁忙期の必要人数に合わせ、常に多くのスタッフを雇用していれば、不要な人件費がかかり続けています。一方で必要な場合だけアルバイトを雇っている場合も、採用や教育にコストがかかるでしょう。外注することで人件費が下げられる可能性があります。

拠点の集約​

複数の拠点がある企業では、次のような課題を感じている場合もあります。

 

  • 拠点が多く、管理費や維持費がかかる
  • 輸送コストの占める割合が高い

 

倉庫内の荷量を考え、どの拠点も余裕がある状況なら、拠点の集約によるコスト削減も考えられます。拠点を集約すると保管費や管理費だけでなく、輸送費が削減できる可能性もあります。物流拠点間の輸送費に無駄がある場合です。

 

ただし、全国への出荷が多いケースでは、消費者までの配送距離が長くなり運賃が上昇するため、かえって逆効果になることも。拠点を集約すべきか、分散すべきか慎重に検討しましょう。

物流コストを削減すると業務効率化につながる​

物流コストの削減方法を紹介しましたが、これらは業務効率化にもつながります。業務効率化とは、「ムリ、ムダ、ムラ」を減らすことです。物流業務においては、業務効率化とコスト削減は直結します。

 

また、業務効率化すると、生産性の向上や働きやすくなったことによる社員の定着率アップなどのメリットもあります。

 

アウトソージングは物流コスト削減と業務効率化双方にメリットあり​​

社内で課題を洗い出し見直しをしてみても、物流コストの削減や業務効率化に効果を感じられない場合もあります。このような場合はアウトソージングを検討してみるのもおすすめです。物流のアウトソージングにはさまざまな方法があり、すべてを任せるフルフィルメントから自社で負担となっている業務のみを外注する方法もあります。

 

物流をアウトソージングした場合の、具体的なメリットの一部を紹介します。

 

  • 物流ノウハウがあるためミスが減る
  • 適切な在庫管理で欠品や過剰在庫が起こりにくい
  • 物流量が急激に増えても、業務に慣れたスタッフで対応できる
  • 配送品質のアップにより顧客満足度がアップ

 

どれも物流コスト削減と業務効率化にメリットがあります。アウトソージングによって社内業務に余裕ができれば商品開発や販促企画などに力を入れることができ、より収益アップが見込めるという良い循環も生まれます。

 

物流代行の特徴やメリットについてはこちらの記事をご覧ください。

 

物流コスト削減における事例をご紹介!

次に実際に物流コストの削減に成功した企業の施策例・アイデアを紹介します。具体的に取り入れられる方法を検討してみましょう。

 

事例1:RFIDの活用拠点集約【オンワード樫山】

2018年オンワード樫山はRFIDタグの活用と物流拠点の集約で、在庫管理・棚卸しにかかる時間の短縮に成功しました。11拠点から4拠点に集約するに際して、各支店で管理していた在庫も物流拠点管理に変更。これにより実店舗の倉庫業務の時間短縮が実現しました。

 

また物流拠点においては、離れた場所から在庫情報を一括で読み取り可能な「RFIDタグ」と「RFIDタグ読み取りゲート」を導入しました。入出庫および棚卸し時間の短縮、さらに人員の削減が可能になり、コストダウンが進みました。

 

もっと手軽で身近なバーコードでも効率化が可能です。以下の記事で解説しています。

現場が語る、バーコード導入のメリット・デメリット

バーコードを活用した在庫管理をエクセルで行うには?

 

事例2:自動倉庫の導入と在庫管理システムを利用したABC分析【ベルーナ】

通販事業のベルーナは自動倉庫の導入と在庫管理システムの活用で、人件費を含めた物流コストを年間で6.2億円改善したといいます。

自動倉庫は、「歩かせない」「考えさせない」「判断させない」を意識し、設計。作業員の即戦力化と人員の削減を図りました。

 

さらに在庫管理システムのデータを活用し、ABC分析により商品のランク付け。出荷の多い商品は棚の下段3段までを使用、上段には出荷の少ない商品を配置しました。

その結果、物流コスト削減のみならず、リードタイムの短縮も実現した事例です。

 

事例3:外部倉庫へのアウトソーシング【NOSE SHOP株式会社】

フレグランスのセレクトショップ「NOSE SHOP」は、外部倉庫へのアウトソーシングを進め物流コスト30%減に成功しました。

 

属人化とヒューマンエラーの課題を、倉庫業務のプロに一任し、出荷や在庫の管理のミスが0に。結果としてカスタマーサポートやシステム調整の工数を削減できました。また同時に、委託倉庫が導入している在庫管理システムが受発注システムと連携できたことにより、通販の注文管理〜出荷指示までの工数削減も実現。総合的なコストカットが叶った一例です。

 

詳しくはこちらの記事もご覧ください。

委託倉庫・ネクストエンジン連携活用で、物流経費30%減!OMO、事業拡大に向けた物流基盤を構築!

まとめ​

物流コストとは物流業務全般にかかるコストで、運送費や人件費が大きな割合を占めています。これらのコストを削減するためには、適切な在庫管理と人件費を減らせるような工夫、拠点の集約がポイントです。

 

また、物流コストを削減する方法は「ムリ、ムダ、ムラ」を見直すため、業務効率化にも効果があります。ただ、社内で物流コスト削減や業務効率化に取り組んでも、達成されないケースも多いです。その場合は物流をアウトソージングすることを検討してみてはどうでしょうか。

 

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