安全在庫とは?安全係数や欠品許容率を含めた計算方法までご紹介!

 

安全在庫とは?

安全在庫とは最低限必要な在庫を指します。最低限というのは、需要の変動やトラブルによる入荷遅れなどがあっても欠品が起きない程度の在庫量です。

また、欠品許容率とは安全在庫を計算する際に用いる指標です。

安全在庫と適正在庫の違いとは?

適正在庫とは多すぎも少なすぎもない在庫量を指します。安全在庫を下回ると在庫数が少なすぎるということになりますが、多ければ良いと言うわけでもありません。在庫数が多すぎると次のようなデメリットがあります。

  • 保管のための費用がかかる(人件費、保管場所など)
  • 在庫数が多いと、目的の商品を探すのに時間がかかる
  • 保管中に商品が劣化する可能性がある

商品を管理するための人を雇ったり、倉庫代を支払ったりと費用が必要になります。また、商品を探すために時間を要してしまうので効率的ではありません。適切に保管しないと品質劣化の可能性があり、商品として販売できなくなる可能性もあります。このように多すぎる在庫を余剰在庫と言います。

適正在庫とは、安全在庫以上で余剰在庫未満の在庫数です。

安全在庫を設定する目的

安全在庫は欠品を防ぐことを目的に設定しますが、完全に欠品を防ぐのは難しいです。統計学を用いて算出するため、計算上、欠品を0にすることは不可能だからです。実質的には安全在庫は、適正在庫の下限となる数字として考えます。

また、アイスやホッカイロのように季節によって需要が大きく変化する商品については、季節ごとに安全在庫を設定します。在庫を適正に管理するための1つの要素です。

安全在庫のメリット

安全在庫を知り、維持するメリットは大きく3つ挙げられます。  

余剰在庫を削減できる

最低限の在庫数である安全在庫を知ると、余剰在庫を削減できます。

企業によっては欠品を恐れて必要数よりもかなり多くの在庫を抱えている場合があります。しかし、安全在庫を知り維持できれば、欠品の頻度を下げることが可能です。欠品しない状況が続けば安心して余剰在庫を削減できます。

前述したような余剰在庫による費用が掛からなくなるのがメリットです。  

販売機会の損失を防げる

余剰在庫は削減したいですが、販売機会の損失を防ぐためには欠品は避けたいものです。安全在庫が維持できれば、計算上、欠品の頻度は下げられます。

欠品のリスクは販売による利益の減少だけでなく、顧客からの信頼の低下も考えます。頻繁に欠品の状態が長引けば、顧客からの信頼を失うかもしれません。その後の取引に影響が出るので、安全在庫の維持は重要です。  

キャッシュフローの改善ができる

在庫商品は企業にとって資産です。資産を現金化することでお金の流れが生まれます。 在庫商品は現金で購入し、販売すると現金が入ってくるものです。在庫商品は現金に変わるのを待っている資産なので、余剰在庫のように在庫商品である期間が長いほどキャッシュフローが悪化した状態と言えます。

企業としては購入した資産をなるべく早く現金化できるよう、キャッシュフローを改善したいと考えています。安全在庫を知り在庫数を適切な状態にしておくのがおすすめです。

安全在庫のデメリット

安全在庫にもいくつかのデメリットがあります。  

安全在庫量の算出に手間がかかる

多くの企業が正確な安全在庫を知らずに業務を進めているのは、算出に手間がかかるからです。次の章で紹介する「安全係数」や「標準偏差」、「リードタイム」を商品ごとに計算しなくてはならず、手間がかかります。  

欠品を完全に防げるとは限らない

安全在庫も完璧ではありません。予測できない理由での需要などの影響で完全に欠品を防げるわけではないので、手間をかけてまで算出したくないと考える企業もあります。

どの程度リスクを許容できるのかと考えることが必要です。

 

 

安全在庫量の計算方法

安全在庫は以下の式で計算します。

安全係数 × 使用量の標準偏差 × √(発注リードタイム + 発注間隔)

計算するためには、「安全係数」や「標準偏差」、「リードタイム」といった数字が必要になります。  

安全係数

安全係数とは「どれくらいの欠品リスクなら許容できるか」という割合(欠品許容率)を係数に直したものです。例えば、欠品許容率10%は100回のうち10回は欠品しても許せると言うことです。もしくは、100個の注文のうち90個しか納品できない場合も10%の欠品許容率になります。

安全係数は、一般的に以下の値を使用します。

 

欠品許容率→安全係数

0.1%→3.10

1.0%→2.33

2.0%→2.06

5.0%→1.65

10.0%→1.29

20.0%→0.85

30.0%→0.53

欠品を絶対に起こしたくない場合ほど、使う係数は大きくなります。

多くの場合、欠品許容率5%(安全係数1.65)を用いるのが一般的です。許容率は企業の考え方や過去のデータを元にして決定します。  

標準偏差

標準偏差とは需要の平均を指します。商品の需要は常に変動しているので一定ではありません。予測も難しいため過去のデータの平均を使用します。

できるだけ多くのデータを使用することで、より正確な数値を得られます。また、標準偏差を人の手で計算するのは手間がかかりますが、エクセルのSTDEV関数で計算可能です。  

リードタイム

リードタイムとは、商品の発注から納品までの期間(日数)を指します。発注してから6日後に納品された場合の発注リードタイムは6日です。

また、発注間隔は定期的に発注している場合のみ使用します。週に1回発注している場合は7日です。不定期で発注している場合は発注間隔は0日として計算します。

安全在庫を保つための方法

安全在庫を保つために、以下のことを検討してみてください。  

棚卸をこまめに行う

棚卸を頻繁に行い、正しい在庫数を把握することで安全在庫を保つことができます。

正しい在庫数の把握は、以下のような点で安全在庫に関わります。

  •  帳簿上の数字と実際の数字の差がないかを確認
  • 保管中の商品の品質の把握

帳簿上で安全在庫が維持できていても、実際の在庫数と合っていなければ安全在庫は維持できていないことになります。帳簿との差異を確認し、在庫数を正しく把握するのが棚卸の目的です。

また、商品の品質チェックも兼ねて行います。品質の劣化が激しく販売できない状態の商品は在庫に数えることはできないので、在庫数を修正する必要があります。

 

在庫管理システムによる在庫管理

→ロジクラ製品ページへの内部リンク

正しい在庫数を管理するには在庫管理システムを導入するのもおすすめです。入力ミスなどの人為的ミスが減らせるほか、発注数や受注数をデータとして蓄積することができるので需要予測を立てやすくなります。

また、システムを使うと安全在庫の算出の際に使用した標準偏差の算出など、さまざまなデータに反映しやすいのもメリットです。

まとめ

安全在庫とは欠品を出さない最低限の在庫数を指し、欠品許容率や需要の平均値などを使用して計算することができます。余剰在庫を削減し、キャッシュフローの改善などのメリットがあるのでぜひ知っておきたい安全在庫ですが、完全に欠品を防げるわけではなく計算の手間がかかるのがデメリットです。

安全在庫を保ち欠品のリスクを下げるためには、頻繁な棚卸や在庫管理システムの導入が効率的です。欠品の頻度が高く、今のところ良い改善方法が見つからない方は導入を検討してみてください。