先入れ先出しとは?在庫管理におけるメリット・デメリットを徹底解説!

在庫管理の基本ルールとして知られている「先入先出し」。物流において最初に知っておくべきルールなので、在庫管理に関わるのであれば、必ず押さえておきたい内容です。

 

今回は「先入れ先出し」の目的や実践すべき理由、発生しうる問題、対策、メリット・デメリット等についてご紹介します。

先入れ先出しの在庫管理における意味とは?

物流における「先入れ先出し」は、英語では“FIFO”(First in, First Out)と表記されます。商品の在庫管理において、入庫日時の古い商品(使用・賞味期限が早い、製造日が古い商品)から順番に出庫することを意味します。

 

在庫商品の鮮度、品質を保持するための基本的なルールで、とくに製造業や卸売業、小売業などで重視されています。

先入れ先出しの在庫管理における重要性とは?

ピッキング

品質維持

商品の品質悪化を防ぎ、在庫の廃棄処分を最低限に減らすために先入れ先出しは重要です。鮮度が命である食品はもちろん、衣服や雑貨なども長期間保管し続けることで品質は悪化します。

 

商品を入荷した順番、すなわち古い商品から販売する「先入れ先出し」のルールを徹底していれば、在庫商品の品質を常に維持することができます。

在庫数の把握

「先入れ先出し」のルールを遂行するには、在庫の保管場所をしっかりと整理しなければいけません。つまり、先入れ先出しを意識すれば、「商品の在庫数を正しく把握する」ことにもつながります。そのため、棚卸しや日々の入出荷業務の際も効率よく作業を行うことができます。

 

入出荷に関して詳しく知りたい方は下記記事も参考にしてみて下さい。
出荷業務を効率化して売上拡大する秘訣とは?大変さを乗り越えるコツ|在庫管理大学|在庫管理ソフト「ロジクラ」|無料(フリー)から使える (logikura.jp)
現場が語る、通販の入荷における3つの鉄則|在庫管理大学|在庫管理ソフト「ロジクラ」|無料(フリー)から使える (logikura.jp)
入庫とは 〜なぜ倉庫業務・在庫管理で最重要業務になるのか?〜|在庫管理大学|在庫管理ソフト「ロジクラ」|無料(フリー)から使える (logikura.jp)

 

先入れ先出しを始める前の注意点

「先入れ先出し」で在庫管理は、商品の品質を維持し、在庫数の正確な把握にもつながるメリットがある反面、作業工数が増えることも事実です。先入れ先出しを始める前に自社の商品が「どの程度先入れ先出しを重視する商品か?」を把握する必要があります。

 

賞味期限が表記されている「食品」や、使用期限がある「医療品・ケミカル品」などを扱うのであれば、「先入れ先出し」の重要度が高いため、基本ルールとして全社員に徹底しなければなりません。また、半導体や電子部品などにおいても製造日・Date Codeが明記されているため、品質維持のために、先入れ先出しを意識する必要があるでしょう。

 

しかし雑貨や衣類などそこまで鮮度が直接商品に影響を与えにくいものであれば、在庫の先入れ先出しを必須ルールに設定する必要はありません。「できる限り先入れ先出しすればよい」くらいの意識でいればいいでしょう。あらかじめ、自社ルールの優先度を決めて社員に徹底するのが賢い方法といえます。

 

在庫管理の先入れ先出し:3つのメリット

では次に先入れ先出しのメリットを詳しくチェックしましょう。

1. 在庫の長期滞留を防止

商品の先入れ先出し=入荷した順(古い商品から順に)に出荷することで、商品の長期滞留を防ぎ、品質を維持した状態で出荷することにつながります。賞味期限切れ、使用期限切れのリスクが減り、廃棄ロスの削減にも効果的です。

 

2. 保管場所の整理整頓

先入れ先出しの徹底は、「いつ誰が見てもどこに何があるか分かるような環境」を作りとイコールです。保管場所の整理整頓はもちろん、入荷日が分かるような仕組みづくりをすることで普段の作業効率も高まります。

3. お客様満足度の向上

先入れ先出しの在庫管理はCSの向上にもつながります。古いものが常に先に出荷されれば、うっかり賞味期限が切れた商品がお客様の手に渡ってしまうといったミスも防止できるでしょう。品質が保たれた商品を常にお客様に提供することにつながるので、当然お客様満足度も向上します。

在庫管理の先入れ先出し:2つのデメリット

先入れ先出しにはデメリットもあります。

1. 管理データ量の増加

先入れ先出しを徹底するには、対象となる商品、商品番号、入荷日、賞味期限・使用期限・製造日、出荷期限などのデータを管理する必要があります。複数のデータを入力したり管理したりとなると作業ミスが増えるのは必然でしょう。

 

2. 作業工数の増加

先入れ先出しの実施に伴い、増加したデータの入力業務に加え、保管場所での現場業務も増加します。商品が入荷するたびに「古い在庫を一旦、倉庫内の保管スペースや棚から取り出し、新しく入荷した商品を先に入れ、再度古い商品を戻す」という業務が発生する場合もあるでしょう。工数の増加に見合うメリットがあるか、十分な検証が必要です。

 

先入れ先出しの具体的な手順をご紹介!

先入れ先出し
ではここで先入れ先出しの具体的な手順を解説しましょう。

1.商品にラベルを添付

 

まず商品が入荷したら、商品情報が記載されたラベルシールを外装箱に添付します。商品コード、ロット、賞味期限などの情報がひと目で読み取れるよう、商品の定位置に貼っていくのがポイントです。なお外装箱に記載がある場合には、この工程は不要です。

2.在庫管理表(はい票せん)を記入

次に在庫管理表(はい票せん)に商品情報と入荷個数を記入します。このとき、先入れ先出しに必要な賞味期限やロットの情報もわかるように記載しましょう。入出庫のたびに、払出および受入の個数を記入すれば、どの賞味期限が現状の取り口になっているかも、わかります。

 

3.定位置に保管

もし同じロットや賞味期限の商品が追加で入庫されたら、パレットや保管棚の定位置に保管していきます。同じ商品の、同じ取り口のものが、いろいろなロケーションに散らばっていると、先入れ先出しがうまくいかなくなるので注意しましょう。

 

4.古い商品を手前に、新しい商品を奥に配置

先に出荷したい古い商品は手前に、後に出荷したい新しい商品は奥に配置します。なるべく手間がかからない工夫をしましょう。

 

5.手前に配置された古い商品から出荷

出荷の際には、基本的に手前に配置された古い商品から出荷します。同時に在庫管理表(はい票せん)も確認しながら、取り口を間違えないよう、ピッキングを行いましょう。

先入れ先出しを行う際のありがちなミス・課題

1. 商品状態の判別がつかない

入荷時に正しく管理をしないと、商品状態の判別がつかなくなる恐れがあります。同じ商品の鮮度を見極めるのは食品など劣化が明らかなものであれば判別しやすいですが、衣類や雑貨、部品などであれば判別が難しいものです。

 

  • 処理を保留していた商品が、いつ入荷したものかわからなくなってしまった
  • 先入れ先出しの商品と気づかず、入荷日管理を忘れてしまった

上記のようなミスを防ぐため、確実に入荷日が明確になるような印をつけるなどの工夫が必要です。

2. 業務の標準化がされない

先入れ先出しのルールが周知徹底されず、業務が標準化されづらいのも課題の1つです。

 

例えば「目についた賞味期限違いの商品から出荷してしまった」「棚卸しのため横によけて仮置きしていたら、隣の入荷日の同商品と混ざってしまった」といったミスは起こりがちです。現場業務は必ずしも同じ担当者が作業にあたるとも限らないため、なかなかルールを徹底させるのは難しいのも現実です。

3. データ量、工数増加による煩雑化

先入れ先出しを行うと、データ量と作業工数がどうしても増加してしまうのも課題です。単に管理するデータが増えるだけでなく、SKU数が増える分、棚卸しの工数が増えます。在庫差異が発生する可能性も高まり、経緯を追跡する手間も増えると考えた方がよいでしょう。

 

扱う商品数が多かったり、システム化せず、アナログ管理であったりする場合は作業が煩雑化しやすいので注意が必要です。

先入れ先出しを実践する上でのポイントとは?

実践
では先入れ先出しを上手に実践していくためには、どのようなポイントに気をつけたらよいのでしょうか。

1.商品特性に応じたルールの策定

まずは商品の特性に応じたルールの策定をすべきでしょう。先入れ先出しをどこまで厳密に行うかによって、細かい手順は異なるはずです。

 

例えばざっくりとした先入れ先出しを行う場合には、現場主導になります。目視で確認しやすいルール策定がメインとなるでしょう。厳密な管理が必要な商品の運用は、事務側が主導です。ロットおよび賞味期限まで指定した出荷指示や細かいロケーション管理が必要になるため、事務側のマニュアル作成に重きをおく必要があります。人によって手順がまちまちにならないよう、ルールを定め標準化しましょう。

 

2. 商品状態の明確化

商品の状態を見てひと目で見分けることが重要です。入荷日や期限、ロットno. が明記されたシールもしくは、貼るだけでいい「カラーシール」の利用も効果的です。今日はこの色のシールといったように、色の順番が決まっていると古いものから出荷することが容易になります。

3. 保管方法の工夫

保管方法を工夫することで、先入れ先出しで発生する作業の手間を減らすことができます。具体的には以下のような方法です。

  • 賞味期限・ロットごとにパレットや台車に分けて保管し、必要に応じてパレットの配置ごと変更
  • 入荷時、棚の裏から新しい商品を入れ、出荷時、棚の正面から商品を出す(コンビニのペットボトル方式)

余計な動作を1つでも減らしていく工夫をしましょう。

4. 適正在庫の把握

常に適正な在庫量しか持たないよう施策を施すのも、先入れ先出しの在庫管理のポイントです。作業数増加の防止につながります。そのためには安全在庫や適正在庫の把握が必須です。

 

詳しくは以下の記事も参照ください。
安全在庫とは?安全係数や欠品許容率を含めた計算方法までご紹介!

5. 保管場所の整理・整頓・清掃(3S)

保管場所を常に整理・整頓・清掃(3S)する心がけも重要です。ベテランスタッフの手に属人化してしまうと、担当者にしかわからない現場が生まれがちです。そうなると、先入れ先出しをしようにも、古い商品を探すのに手間取ってしまいます。

 

「何が・どこに・いくつあるのか」誰が見ても明確に在庫の状況が分かる環境づくりが作業効率アップにつながります。

6. ルールの明確化、徹底周知

課題として挙げられた周知徹底をクリアにするのも、先入れ先出しの在庫管理におけるポイントです。ルールを口頭説明するだけでは、伝わりきらなかったり、失念されてしまったりします。また、伝言によって少しずつ元々のルールが変わってしまうといったことも考えられるでしょう。

 

ルールの明確化には作業指示書やマニュアル、作業場所に掲示する看板の作成が有効です。スタッフの記憶や実力に頼らず、確認できる仕組みの構築が、先入れ先出しの運用をスムーズにします。

7.責任者による抜き打ちチェックの実施

ルールが徹底されているか、責任者による抜き打ちチェックの実施も重要です。周知だけの問題でなく、ルールを理解していても忙しさのあまりに手を抜いてしまう可能性もあります。

 

定期的に事務所や本社勤務の責任者が、抜き打ちで現場に足を運び、作業手順を確認しにいきましょう。緊張感維持に効果的です。報告書だけでは、見えてこない問題点を発見するケースもあります。管理側・現場側ともに慣れによっておざなりな運用にならないよう、連携していきましょう。

在庫管理の先入れ先出しはシステムを利用しよう!


在庫管理の先入れ先出しには、保管場所の整理整頓、ひと目で分かりやすい工夫などが大切です。そして同時に在庫管理の明確化・一元管理も必要不可欠になってきます。扱う商品数が増加してくると、ルールに基づいた人手による作業では限界があるでしょう。

 

そこで、おすすめなのが在庫管理システム(WMS)の導入です。入出荷情報や商品の管理情報を一括で管理できるため、在庫管理の作業効率がアップし、先入れ先出しのルールも運用しやすくなります。在庫管理システムは導入費用がかかるという点で導入を悩んでいる担当者の方も多いかと思います。在庫管理だけをシンプルに始めたい、導入コストを抑えたい時には無料プランからご利用開始できる在庫管理システムがオススメです。

 

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アフターコロナを見据え、今やるべきEC・物流対策とは?

新型コロナウイルスの影響で、EC業界にはどんな影響があった?アフターコロナでの事業の変化に備えて、EC・物流担当者は今何をやるべき?

在庫リスク分散に備えた物流対策やOMO・オムニチャネル対応などご紹介いたします。
1. 新型コロナによる通販・EC市場への影響
2.市場の変化から生じるニーズの変化
3.対策①:OMO・オムニ進行 〜小売店舗・卸のEC化〜
4.対策②:在庫リスク分散トレンド 〜フルフィルメントの併用〜
5.対策③:在庫リスク分散トレンド 〜3PLの併用〜