
現場が語る、通販の入荷における3つの鉄則
こちらの記事にも記載しましたが、通販の在庫管理においては、「入荷が全て」と言っても過言ではないほど、入荷が重要です。
入荷さえしっかりとしていれば、セール期に出荷を増やしても、キャンペーンで同梱やラッピング等を行っても、それほど大きな問題には発展しくにいです。では入荷を改善するための鉄則は何のか。私はこれまでの現場での経験から、以下の3つの改善が非常に重要と捉えています。
- 商品の入れ違い(テレコ)
- 商品の入荷差異
- 商品の入荷遅延
上記の問題は、前提として*在庫管理システムを用いることで問題を可視化すれば対策が打ちやすい*という側面はあります。その上で、個別に問題に対する対策を共有したいと思います。
商品の入れ違い(テレコ)をなくす
「商品の入れ違い(テレコ)」は、主に入荷した商品にバーコード等の商品ラベルを貼付する際に、誤って、間違った商品の商品ラベルを貼付してしまうことによって発生します。この問題の大きなところは、1回のミスで2つの商品が商品ラベルミスになり、どちらも売れた場合最大2人のユーザー対応が発生することです。私も経験がありますが、テレコは在庫切れ商品の場合は、一度ユーザーから商品を返品してもらい、別のユーザーに商品を再送するという業務が発生するため、労力もさることながら、送料が4倍以上かかってしまいます。
この問題を解消するために、委託倉庫では、まず入荷した商品に商品ラベルをそのまま貼付するのではなく、一度納品書との付け合せを商品ごとに行い、問題がないことを確認してからラベル貼付しています。非常に面倒な作業のように思えますが、テレコが発生した際の手間に比べれば非常に小さいというのが実情だと思います。
また、そもそも入荷の時点で取引先でラベル貼付をして頂いた状態で入荷するというのも手です。これはzozoやshoplistのような大手モールでは通常対応として出品者にお願いしている部分ですが、仕入価格の調整は必要かもですが、自社でラベル貼付をする場合の費用や手間を考えれば、可能であれば依頼してみるのもありだと思います。私は取引先に上記の方法をお願いし、非常に良かったと思っています。
商品の入荷差異をなくす
入荷差異とは、発注している商品と実際に納品された商品が異なることを言います。仕入先の問題なので、解決が難しいように思うかもしれませんが、納品書の同梱を必須にすることで、入荷差異は改善される傾向にあります。
入荷差異は仕入先の出荷ミスなので、仕入先側で出荷ミスの原因になっている部分をどう改善するかというのが、論点になるかと思います。amazonのFBAはこういった観点からも、事前にFBA専用の商品ラベルの貼付を推奨していますが、商品ラベルを仕入先に渡すのは難しいというのが実情だと思います。
そうした場合に、せめて納品書の付け合わせだけでもして頂ければ、出荷時の確認は行うようになると思いますので、これによって、仕入先からの商品出荷ミスを少なくすることができます。納品書の同梱と同時に、そちらとの付け合せをお願いする形で、まずは改善依頼をはかりましょう。
商品の入荷遅延をなくす
商品の入荷が遅延したことで、出荷が遅れるということもよくあることです。特に複数の仕入先から仕入れた商品を販売している場合、1つの仕入先の商品が遅れたことでその他の同一注文内の商品の出荷も遅れてしまうということもあり、大きな問題だと思います。
入荷遅延には先方の商品入荷自体が遅れている等、様々なパターンがあり得ますが、仕入先の担当者の優先順位が低いことで対応が遅れているパターンもあると思います。その場合に、特に仕入金額が大きくない場合は、入荷遅延を指摘しすぎて仕入NGになることを避けたいと思っている方も多いのではないかと思います。
そういった場合に、私がとってきて改善に成功したパターンは以下の方法でした。
- 入荷遅延によって発生した出荷遅延によるユーザーコメントを伝える
- 月間の入荷遅延率を算出し伝える
前者は特にアパレル等のブランドイメージを重視している仕入先には有効でした。一般ユーザーに対するブランドイメージが悪くなることは会社として是正すべきなので、取引先の大小を問わず対応するという心理が働くように思います。
また、できれば月間の入荷のうち、入荷予定日までに入荷したものが何件あるのかを在庫管理システムで計測できるようにしていればより説得的ではあると思います。ちなみに、大手モールの中にはこうしたデータを取得しそれによって取引条件を毎月見直す企業もあります。
いかがでしたでしょうか。再三お伝えしている通り、こうした入荷改善は、入荷ミスの可視化が必要でありそのために在庫管理システムの導入は非常に有効です。在庫管理システムの導入によって、問題が可視化・改善され、何人分もの人件費が削減できるだけでなく、何より商品の心待ちにしているお客様に適切に商品を届けることができるようになり、お客様満足度向上にもつながります。ぜひ、上記の入荷改善に合わせて、在庫管理システムの導入も検討してみてください。