
誤出荷の原因と7つの対策!なぜあの業者はミスゼロに近いのか
誤出荷は、商品のピッキングミスやテレコにより発生します。顧客からの信頼低下を招くため、なるべく避けたいもの。ヒューマンエラーだから仕方がないと、問題を隅においていませんか?
誤出荷率を低下させるには、原因と対策の追求が必須です。当記事では、ありがちな誤出荷の原因を把握したうえで、誤出荷を防ぐ対策を紹介します。ぜひ、物流業務の参考にしてみてください。
目次
そもそも誤出荷とは?【種類は5つ】
誤出荷には、いくつかのパターンがあります。
- 商品が違う
- 数量が違う
- 出荷漏れ
- 宛先が違う
- 添付する伝票などが違う
詳しく見ていきましょう。
1.商品の誤出荷
商品の間違いで多いのが、カラーやサイズを複数展開している商品です。お客様にとって必要のない商品が届いてしまうというトラブルになります。
2.数量の誤出荷
よくある数量の間違いは2つに分類できます。まとめ買いされたときに数え間違えてしまう場合と、バラ1個(ピース)の注文で1箱(ケース)発送してしまうという場合です。
3.出荷漏れ
出荷漏れも大きく分けて2種類あります。複数商品の注文があった際にある特定の商品を出荷し忘れてしまうケースと、梱包や積み込み、配送の際に段ボールごと商品を紛失してしまうケースです。
4.宛先の誤発送
宛先間違いで多いのが、「テレコ出荷」と呼ばれる2つの配送先を取り違えるケースです。送り状の貼り間違いや配達員の仕分けミスにより発生します。
送り状を手書きで記載している場合や手入力で情報を転記している場合にも間違いやすくなります。個人情報の流出と誤出荷という2つのトラブルに対応しなくてはいけません。
5.納品書の入れ違い
添付する伝票などの間違いも「テレコ」が起きることが多いです。こちらは配送商品の内容には問題ないのですが、個人情報が流出してしまうので信用度が下がります。
色々なパターンがありますが、ユーザーの手元に必要な商品が届かないなど、トラブルの原因になります。
誤出荷が起こる原因・ポイントとは?

誤出荷が起きやすいタイミングがあります。チェックすべきポイントと原因を紹介します。
出荷指示ミス
そもそも、注文情報を受けて出荷指示を出す時点で間違っていることがあります。特に、手入力で注文情報を反映させている場合に間違いが起きやすいです。
- 数量の見間違え
- 商品コードの入力ミス
- 特記事項の確認もれ
などに間違いが起きやすい部分が多く、ミスをゼロにすることはできません。
また、発送に関する細かい注文のもれなど、チェックする項目が多いのも問題です。荷物の梱包の状態(内容物がわからないように、温度帯の指定など)、ロットの指定ミス(賞味期限・消費期限のある食料品)など顧客から細かい注文があった場合にはできる限り対応したいものですが、サービス範囲も検討すべきでしょう。
指示書に転記される時点で反映されずに対応できない例もあります。
ピッキングミス
誤出荷の原因として特に多いのがピッキング作業時のミスです。ピッキングミスにもいくつかのパターンがあります。
- 類似商品(カラーやサイズ、商品番号)
- セット品やキャンペーン品
- 数量
カラーやサイズ展開の多い商品でのピッキングは、特に注意が必要です。また、商品番号や商品名が似ている場合も間違いが起こりやすいので、確認を徹底します。
難しいのがセット品やキャンペーン品です。単品の注文もあればセット品の注文もあります。セット品の注文がほとんどを占めるのに、1つだけ単品の注文がある場合もあります。
ピッキングに慣れている担当者ほど、このようなイレギュラーの注文に気付きにくく、全ての注文でセット品をピッキングしてしまう例が頻発します。
ピッキング作業の改善については以下の記事で詳しく解説しています。
「【改善事例】ピッキング作業の改善が物流のスピードや正確さを左右する!」
発送時のミス
発送ミスの原因としてあげられるのが、伝票の間違いです。特に、注文の入った伝票を一括出力している場合、伝票貼付ミスや納品書の入れ違いがおきます。作業員の仕分けミスや配送ドライバーの不注意による出荷漏れも誤発送に含まれ、配送事故と扱われることもあるでしょう。
しかし、顧客視点で考えると「どの時点でミスがあったか」ということより「必要な時に必要な商品が届かなかった」という事実が大切です。誤出荷として扱い、今後同じような事例が起きないように対策をする必要があります。
誤出荷の原因はこちらの記事でさらに詳しく解説しています。
誤出荷が発生したしまった際には適切なお詫びと報告も重要です。
「【すぐ使える文章例付き】誤出荷が起きてしまった際の報告書の書き方は?」
誤出荷によってどんな影響がある?

誤出荷が起きると、具体的にどのような影響があるのか紹介します。
無駄な発送コストがかかる
正しい内容でもう一度発送しなくてはいけないので、2回分の発送コストがかかります。お客様からの返品が必要になれば、その配送料も負担しなくてはいけません。
受注キャンセルになる場合もあるでしょう。1回ずつの金額は小さいですが、誤出荷が頻発すると企業の経営に影響します。
在庫に差異が生まれる
誤出荷が発生するとデータ上の在庫と実際の在庫に差異が生まれます。
例えば、在庫が10個ある商品が2個注文された場合、通常なら残りの在庫は8個のはずです。しかし、誤出荷で3個発送してしまった場合、データ上の在庫は8個ですが、実際には7個しか在庫がありません。この状態で8個の注文がきた場合、データ上は受注可能ですが、実際には欠品となります。
欠品だけでなく過剰在庫の原因にもなるため、修正のための管理コストや廃棄のリスクなどさまざまな損失に繋がります。
欠品しないよう安全在庫への考慮も重要です。
関連記事:「安全在庫とは?安全係数や欠品許容率を含めた計算方法までご紹介!」
ユーザーからの信頼低下
企業にとってユーザーからの信頼低下は販売機会の損失につながります。どんなに取扱商品が良くても、トラブルが多く、ユーザーが必要なときに必要な商品が届かないのなら取引をしたくないと考えてしまうのです。
特にECサイトでは、ユーザーは商品の到着目安を確認し購入している場合が多いです。目安を過ぎても商品が到着しない、長期間待ったのに注文がキャンセルになったなどは、口コミに書き込まれることも考えられます。
口コミによって多くの人に「信頼できないショップ」と受け取られてしまうと、他ショップでの購入に乗り換えるユーザーが増えると予想されます。
個人情報の流出
特にECサイトでは個人情報の流出が問題になります。テレコ出荷などの誤出荷があった場合、納品書などには次のような個人情報が書かれています。
- 名前
- 住所
- 電話番号
- 購入商品の詳細
実在する名前、住所、電話番号が流出するため、ユーザーが直接被害を受ける可能性があります。訴訟などの大きなトラブルに発展する可能性があり、企業にとっては大きなリスクです。
押さえておきたい!誤出荷率を表す物流品質のKPI
誤出荷を減らしていくために、まずは自社の誤出荷率が高いのか、低いのかを可視化しましょう。
品質を表すKPIとして一般的に使われる指標がPPMです。Parts Per Million(パーツ・パー・ミリオン)の略称で、100万件のうちの割合を示します。誤出荷率の計算方法は以下の通りです。
自動化された倉庫で5〜10PPM、デジタルを用いていない一般的な倉庫で50〜100PPMが目安の指標とされています。このPPMをゼロに近づけるために対策を施していきましょう。
誤出荷を防ぐための7つの対策
次に誤出荷を防ぐために、どのような対策ができるのか紹介します。
対策1.業務フローのマニュアル化と教育でテレコなどを防ぐ
業務フローを策定し、マニュアル化することも誤出荷対策のひとつです。例えば納品書の入れ間違いは、出荷準備を始める前に送り状と納品書、出荷指示書をセットにしておくことで予防できるでしょう。
テレコ出荷は、送り状と納品書の最終読み上げ確認で防げます。工程ごとにエラーが起きづらい工夫を徹底し、ひとつミスがあっても次の工程で誤出荷を食い止められるよう、ルール化と順守を徹底しましょう。
ピッキングミスの防ぎ方は以下の記事でわかりやすく解説しています。
対策2.システムの導入で出荷指示ミスを防ぐ
出荷指示ミスにおける誤出荷は、注文情報と連携できる在庫管理システムの導入で回避できます。受注情報から出荷情報の間に人の手を介さないため、出荷指示書への情報の転記ミスや、1件分飛ばしてしまうといったミスがなくなるからです。
またシステム導入のメリットはミスが減ることだけではありません。ミスがあった際に作業履歴を確認できるため、原因を探り、改善が可能です。当社の提供する在庫管理システム「ロジクラ」は、様々なECモールやストアとAPI連携ができます。今なら無料でお試しいただけますので、ご活用ください。
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出荷管理におけるシステム活用の重要性は「出荷管理ではシステム導入がカギに?出荷管理における課題、重要性をご紹介」の記事でも解説しています。
対策3.十分な作業スペースを確保し仕分けミスを防ぐ
倉庫内を整理し、ピッキングや出荷のためのスペースを確保することでピッキングした商品と出荷待ちの商品が混ざる誤出荷を防げます。
これはテレコ出荷など配送に関するミスに有効です。 同時に倉庫内の商品が整理されるので、先入れ先出しの徹底など在庫管理面でもメリットがあります。
対策4.バーコードリーダーの導入でピッキングミスを防ぐ
ピッキングミスは、目視確認により生じるヒューマンエラーがほとんどです。バーコードリーダーを導入し、出荷指示書と商品のバーコードを照合しましょう。
人の思い込みによるミスを避けられるため、類似商品の多いアパレル商品などの誤出荷を防ぎます。
高額なリーダーもありますが、当社の商品「ロジクラ」はお手持ちのiPhoneをリーダー代わりに使用できます。誤出荷をゼロにし、人件費半減に成功した導入事例も。基本機能は無料で利用いただけますので、試してみてください。
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対策5.ダブルチェックで検品ミスを食い止める
チェック体制を整え、誤出荷を防ぐようにします。 導入しやすいのがダブルチェック体制です。全ての工程でダブルチェックをすることでミスに気付きやすくします。
デメリットとしては人件費がかかる点と、ダブルチェックする人が「ミスはないもの」と思い込んでチェックをしてしまいミスに気付かないという点です。 注文数全体から考えるとミスの数はごくわずかです。ミスがない状態が続くとチェック者の気が緩み、ミスに気付きにくくなります。
対策6.当日出荷した件数・個数を最終確認し、出荷漏れを防ぐ
出荷漏れを防ぐためには、件数・個数の最終確認が重要です。
出荷漏れでは「1ケースだけ商品が置き去りにされていた」といった事象が起こりやすいでしょう。荷札や送り状を発行する際に出荷件数と個数を掴んでおき、集荷の配達員とその数を照合することで、出荷漏れを防げます。
集荷時に気づけなかったとしても、出荷漏れのフォローを早くできるため有効です。
対策7.「なぜなぜ分析」で誤出荷の原因を突き止める
なんと言っても、誤出荷が起こってしまったときに原因を突き止めることが重要です。
ただし、注意したいのが表目上の原因だけではない可能性があるという点。その原因の追求に役立つのが「なぜなぜ分析」です。以下のように、起こってしまった事象に対して、「なぜ」を繰り返し原因の根本を浮き彫りにします。
- 「なぜ誤出荷したのか?」→「ピッキングミスをしたから」
- 「なぜピッキングミスをしたのか?」→「似たような商品が近くにあったから」
- 「なぜ似たような商品が近くにあったのか?」→「フリーロケーションだから」
このように具体的な再発防止策に辿り着けるよう、原因の詳細を明確にしていきましょう。
誤出荷ゼロを目指そう
誤出荷にはいくつかのパターンがあります。しかし、どのパターンでもユーザーにとっては「必要なときに必要なものが届かなかった」という事実だけが印象に残ります。
誤出荷の原因のほとんどは人為的なミスですが、「仕方ないもの」として捉えてしまうと状況は改善されず企業の信頼低下を招きます。誤出荷を防ぐには原因を見つけて業務ルールを見直すのが良いですが、システムを導入しヒューマンエラーが起きる機会を減らすのもポイントです。
KPIの指標基準ではシステムを取り入れていない企業は、誤出荷率の平均が高いとされています。システム導入コストがかかるものの、誤出荷のための再配送コストやトラブル対処のためのコストを考えれば意味のある投資といえるでしょう。
弊社の「ロジクラ」を使えば、スマホハンディのバーコード検品機能及び在庫のデータ管理を通じて、誤出荷の課題解決をする事が可能です。
実際、導入後2か月で誤出荷ゼロを実現したケースも存在しています。
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