WMSの失敗しない選び方8つ!種類、費用、おすすめサービスの比較も

WMS(倉庫管理システム、以下WMS)は、在庫を管理するだけでなく、商品の入出荷や棚卸といった倉庫作業を行うためのシステムです。実はラインナップが非常に多く、自社の目的に合致するWMSの選び方を知らないまま導入すれば、適正な効果が得られないかもしれません。

 

今回は通販モールでの物流担当経験のある筆者が、WMSの種類や選び方のポイント、おすすめのシステムをご紹介したいと思います。

 

WMS(倉庫管理システム)の種類と導入費用在庫管理システム

まずWMSの選び方を知る前に、ざっくりとした種類とその費用感を掴んでおきましょう。大きく分けて以下3つの種類があります。

 

クラウド型WMS|月額支払い

クラウド型WMSとは、ネット環境上で利用するタイプのシステムです。月額利用料が数千円〜数万円かかります。

自社で構築する必要がなく、初期費用が安価で済むため導入しやすいでしょう。システムがアップデートする際の費用は発生しません。データ共有のしやすさや機能の充実度に優れているメリットがある一方で、インターネット環境に依存するデメリットもあります。

 

パッケージ型WMS|一括支払い+更新料

パッケージ型のWMSとは、パッケージ化された製品をパソコンにインストールして使用するタイプのシステムです。数万円〜と比較的安価な製品もあり、手軽に導入できます。

一方で機能が限定的であったり、システムのアップデートには別途費用が必要になったりするデメリットもあります。使えるデバイスはインストールしたパソコンのみのケースもあるので注意が必要です。

 

オンプレミス型WMS|高額一括払い

オンプレミス型WMSとは、自社が管理するサーバーに構築・運営するシステムです。導入に数百万円かかることも珍しくなく、初期費用は高額です。


要件に応じたカスタマイズができるため、自社システムと連携したい場合に有用
です。セキュリティーの精度が高いメリットもあります。

 

WMSの機能やメリット・デメリットなどの基礎知識は「WMSとは?物流のミス0、人件費削減が叶うすごい倉庫管理システム」の記事で解説しています。

手軽にできる在庫管理アプリもおすすめです。「現場が語る、在庫管理アプリの選び方とおすすめ」の記事でご確認ください。

 

WMS(倉庫管理システム)の選び方8つ倉庫

WMSは目的によって全く異なる機能を有しているため、選び方を誤ると業務改善に寄与しません。したがって、WMSを選ぶ際には、以下の点を押さえておく必要があります。

  1. 自社の規模向けのWMSか
  2. 業態・業種に適したWMS
  3. 他社システムとの連携は豊富か
  4. 費用対効果は十分に見込めるか
  5. 機能や規模の拡張は可能か
  6. サポート体制は整っているか
  7. 直感的に使いやすいか
  8. 使いたい機能は備わっているか

 

選び方1.自社の規模向けのWMSか

WMSは、一般の小売事業者(カジュアル)から業務委託を受けている倉庫事業者(プロ)まで、幅広く利用されます。そのため誰向けの製品なのかによって、システムの使いやすさや機能が大きく異なります。カジュアル向けではいかに手軽に使いはじめられるかが重要ですが、プロ向けの製品は手軽でなくとも機能が多くエラー時のトラブルシューティングができることが重要です。

選び方2.業態・業種に適したWMSか

WMSは業態ごとのラインナップも豊富にあります。製造業向けのWMSは、商品に問題が発生した際、さかのぼって追跡できるようロット管理やシリアル管理、賞味期限管理といった特性が異なる複数の要素を管理する機能に特化しています。

小売店舗向けのWMSは、日々の店舗での販売によって変化する在庫数の増減をいかに正確に把握できるかが重要です。

通販事業者向けのWMSは、各通販モールやネットショップから並行して入る注文による在庫数の増減と実在庫を正確に把握する機能が優れています。導入実績に自社と同じ業態の事業があるかチェックすると選定しやすいでしょう。

選び方3.他社システムとの連携は豊富か

他社システムとの連携が豊富かどうかも選定のポイントです。たとえば以下のような外部連携が該当します。

  • POSレジ等の販売管理システムとの連携
  • 各通販モールやネットショップ、受注管理システムとの連携
  • 配送業者との連携

現状は連携の必要性を感じていないとしても、事業の成長を見越して選択肢の充実度を確認しておきましょう。

選び方4.費用対効果が十分に見込めるか

費用対効果が十分に見込めるかどうかも、WMSの重要な選定方法です。初めて在庫管理を始める事業者にとって、高額な費用がかかるWMSの導入は負担が重く感じるかもしれません。クラウド型WMSで月々のコストとそれに対する効果を実証していくと良いでしょう。

一方で倉庫事業者のように複数顧客の商品を扱うのであれば、多少高額であっても柔軟にカスタマイズできるオンプレミス型が向いているでしょう。システムの導入でコストを上回る効果が見込めるか、ベンダーに相談してみるとよいですね。

選び方5.機能や規模の拡張は可能か

事業の成長に合わせて、機能や管理拠点の拡張が必要になる場合があります。WMS導入当初の事業規模間や費用対効果だけでなく、先を見越して拡張可能かどうかも選び方の要素です。

たとえばリードタイムを考慮して全国に拠点を持ちたいと思ったときに拠点間の入出庫管理ができるか、重点品目を知りたいと思ったときのためにABC分析ができるかなど。今は必要ないと感じる機能も、のちにカスタマイズやグレードをあげることで、拡張可能なのかチェックしておきましょう。

選び方6.サポート体制は整っているか

MWSを選ぶ際には、サポート体制も合わせて確認してみてください。サポートに高額な費用がかかるサービス、保守代金やサービス利用料にサポート料金が含まれているサービスなどさまざまです。

サポート範囲もシステム導入支援から物流全般のコンサルティングまで多岐にわたります。料金設定とサポート内容が無駄なく、必要なときに活用できそうか検討することも大切です。

選び方7.直感的に使いやすいか

WMSの選び方のひとつとして、誰にでも直感的に使いやすいかという点も重要です。新しいシステムを扱うことにハードルの高さを感じる人は少なくありません。短い時間で業務を習得できるよう、画面の見やすさや直感性に優れているか試したうえでの本格導入に進みましょう。

選び方8.使いたい機能は備わっているか

許容できる費用の範囲で必要な機能が備わっているかどうかも、WMSの選び方の大切な要素です。目的に応じて要件を整理し、選定の参考にしましょう。

機能

目的

ピッキング機能

出荷作業の効率化

ロケーション管理機能

在庫の保管場所を把握

データ共有機能

複数拠点・複数人でリアルタイムの在庫を共有

ハンディ・バーコード機能

入出庫・棚卸しの効率化、正確性の向上

グローバル対応

海外展開

 

WMS(倉庫管理システム)おすすめ3選【比較表あり】

最後にWMSの中で、商品やオペレーションへの対応力・汎用性が高いおすすめのシステムを紹介したいと思います。

ロジクラ

クラウドトーマス

ロジザードZERO

事業規模

EC事業者

小中物流現場

3PL物流現場

月額

月額14,800円~(プランにより異なる)

月額90,000円

要問い合わせ

特徴

・使い慣れたスマートフォンでバーコードスキャン

・リング型スキャナーでハンズフリー作業

・海外対応

 

ロジクラ|小売事業者向け、初めての在庫管理におすすめロジクラ

画像出典:在庫管理・倉庫管理ソフト「ロジクラ」

約1年間で1万社の企業様に利用頂いているWMS「ロジクラ」。店舗・通販・卸の在庫管理が一元化でき、スマートフォンをハンディースキャナー代わりに使い、かんたんに商品登録や在庫登録ができる点が特徴です。

クラウドトーマス|小中規模の物流現場におすすめ

クラウドトーマス

画像出典:クラウドトーマス

物流会社、株式会社関通が開発し、現場で使いこまれてきたWMS「クラウドトーマス」。1,000社以上の物流改善実績を実現してきました。指にはめられるリング型のスキャナーを利用し、ハンズフリーで作業を効率化できます。

小中規模の物流現場向けで、業種業態を問わない汎用的なシステムです。別途費用はかかりますが、物流のプロによる導入支援、物流コンサルティングを受けられるのも特徴です。

費用 月額90,000円〜

 

ロジザードZERO|3PLの物流現場におすすめ
ロジザードzero
画像出典:クラウドWMS 倉庫管理システム 通販・卸の物流管理ならロジザードZERO

「ロジザードZERO」は3PLのような倉庫事業者で使われているWMSです。あらゆる商品の在庫管理に対応し、作業履歴や高度なロケーション管理ができる点が特徴です。

また英語や中国語等複数の言語にも対応しており、大規模な作業現場にて多様な国籍の方々が使うことを想定したシステムになっています。

費用 問い合わせ

 

自社にあったWMS(倉庫管理システム)を選定して作業工数の削減を!

WMSは知識のない状態から選ぶには非常に難しいツールです。とはいえ良いツールを導入できれば、劇的な作業工数の改善が見込まれます。是非こちらの記事を参考に、ツールの導入を進めてみてください。

なお、通販向け在庫管理システム/在庫管理ソフト(WMS)に特化した選び方のポイントやおすすめのシステムは「通販向け在庫管理システム/ソフトの選び方とおすすめ」の記事をご覧ください。

在庫管理の基本についても「在庫管理とは?基礎業務とメリット、課題の解決法を物流のプロが解説」の記事で解説しています。