
現場が語る、通販向け在庫管理システム/ソフトの選び方とおすすめ
こんにちは、ロジクラの武末です。
前回はこちらの記事(「在庫管理システム/ソフトの選び方とおすすめ」)にて、在庫管理システム/在庫管理ソフトとは何か、選ぶ際のポイント等を解説させていただきました。
今回は在庫管理システム/在庫管理ソフトの中でも、ネット通販向けに特化してお話したいと思います。
目次
ネット通販向け在庫管理システムとは?
ネット通販向け在庫管理システムは、日々各モールやネットショップから入る注文によって変化する在庫数の増減と出荷を正確に把握する機能に特化しており、各モールやネットショップ、受注管理システムと連携し在庫の増減を管理する機能に特化しています。
したがって、楽天、Yahoo!ショッピング(含む、paypayモール)、amazon等の各種モールや、shopify、Makeshop、BASE、STORES等の各種カート、ネクストエンジン、クロスモール等の各種受注管理システムとの連携状況を気にする方が多いかと思います。
一方で、ネット通販以外にも直営店や店舗卸等を行っている方は、在庫を一元管理できるのかであったり、直営店や店舗卸等への出荷によって、ネット通販の在庫が連動してくれるのか等の細かい部分をしっかりと確認する必要があります。
私自身、子供服アパレルブランドの通販サイトをshopifyにて運用し、各小売店に商品を卸していますが、ネット通販向けと店舗卸向けに在庫を分けるだけの余力はないため、在庫は一元管理をしています。したがって、店舗卸に商品を出荷したらshopifyの在庫数が自動で変更されるように、在庫管理システムを設定していますが、これができる在庫管理システムを選ばないと、毎回の出荷の度に各通販モールやカートの在庫数を変更しなければならず、実質的にモールやカートごとに在庫を分けないと管理が不可能に近い状況になってしまいます。
ネット通販向け在庫管理システムを選ぶポイント
上記のような状況を踏まえ、ネット通販向け在庫管理システムを選ぶポイントは何なのか、解説したいと思います。利用している通販モール、カート、受注管理システムへの対応有無は既述の通り当然のため、それ以外を解決します。選ぶポイントは以下に集約されると思います。
- 各システム対応の具体的な内容(商品マスタ/受注/在庫数 等)
- 実店舗等通販以外の販売対応の具体的な内容(主に在庫数)
- 取扱商品の在庫管理への対応有無
- 現場スタッフの利用イメージの明確さ
- 料金体系(月額固定課金、従量課金 等)
順に解説したいと思います。
ポイント1:各システム対応の具体的な内容
利用している通販モール、カート、受注管理システムへの対応有無は各在庫管理システムの紹介ページや資料を取り寄せれば分かりますが、問題はその内容です。一言に対応といっても、そもそも在庫管理システムは各システムから受注などの情報を受け取り作業し在庫数を更新するシステムなので、何が連携できるのかを把握しておかないと、思い違いが発生してしまいます。具体的には以下のポイントで連携状況をチェックしましょう。
- 連携範囲(商品マスタ / 受注(出荷)/在庫)
- 連携方法(csv連携、API連携 等)
仮に「楽天と連携可能」とホームページに記載あったとしても、商品マスタと受注の連携が可能なのか、受注のみの連携が可能で商品マスタは別途更新が必要なのかによって、大きく異なります。また、csv連携とAPI連携でも、前者が毎日csvの取込作業が発生するのに対して、後者は自動でデータ取込がされるため、これもまた作業工数が大きく変わってきます。
ポイント2:実店舗等通販以外の販売対応の具体的な内容
在庫管理システムを選ぶ際に見落とされがちなのが、通販以外の実店舗や卸等の他の販売経路です。「通販在庫」として在庫自体を販売経路によって分ける人もいますが、特に中小規模の方々はそんなことをしていると、すぐに在庫リスクが膨れ上がってしまうと思います。
したがって、通販も実店舗も卸も、自身の販売経路を管理できる在庫管理システムのか?を必ず見極める必要があります。見極めるためには、実際の在庫管理システムを使った流れを入荷から出荷まで確認していけば自ずから対応できるか否かが分かってくると思います。
また、在庫管理システムを提供している事業者側に実際のオペレーションの流れを説明してもらうのも良いと思います。良い在庫管理システムであれば、上記のようなことは想定しているため、相談にのってくれるはずです。
ポイント3:取扱商品の在庫管理への対応有無
在庫管理システムも万能薬ではないため、全ての商品種類に対応できるとは限りません。例えば、中古品のようなSKU数が非常に多い商品を在庫管理システムで管理するには、膨大な商品マスタをいかに効率的に登録できるかが鍵になり、そういった機能のある在庫管理システムが求められます。
主に以下のような商品を取り扱っている場合は、在庫管理システムが商品の特性に対応できるのかの確認が必要です。
- 食品:賞味期限
- 機械/電気部品:製造ロット
- 消費財:入数
- ギフト:セット品(ラッピング資材管理)
他にも商品によって様々な特性があるかと思いますが、そちらに対応できるか否かで、良いサービスも使いものにならないサービスになってしまうため、必ず確認しましょう。
ポイント4:現場スタッフの利用イメージの明確さ
在庫管理システムはITツールのため、導入者と利用者が異なる場合が非常に多いように感じます。導入者は複数の機能を求めるのに対して、利用者は機能の使いやすさを求める傾向にあるように思います。
導入者が利用者である現場スタッフの利用イメージを持つことは容易ではないですが、一つの手段として、必ずデモをお願いした上で導入検討を行うべきだと思います。可能であれば、デモに現場スタッフも参加してもらうなどを行うだけで、利用イメージのすり合わせはグッとレベルが上がると思います。
特に直近はオンライン商談も増えているため、デモの依頼や現場スタッフに遠隔で参加頂くことも用意になっているかと思います。この機会を活かして、現場スタッフに合うシステムの選定を行いましょう。
ポイント5:料金体系(月額固定課金、従量課金等)
日々出荷をこなす在庫管理システムは、各ツールによって料金体系が大きく異なります。
多くの企業で出荷量が多くなればサービスの保守運用も負荷が大きくなるため、従量課金制を採用していますが、従量課金の単価も1年後の出荷量を見極めて検討をする必要があります。
一般に、在庫管理システムは一度使用し始めると短期間で変更することが難しいです。変更のためには最悪出荷を止めなければいけないこともあり、変更が難しいからこそ、中長期を見据えたツール選定が求められます。
自社の事業の今後の成長性を考えたときに、固定課金が大きい方、従量課金が大きい方のどちらを選ぶべきか、現在の出荷量やオペレーションを考慮するだけでなく、1年先を見据えた検討をぜひ行いましょう。
ネット通販向け在庫管理システムのおすすめ
ロジクラ
在庫管理・倉庫管理ソフト「ロジクラ」|無料(フリー)から使える
無料から使え、21日間の有料プラントライアルもある在庫管理システムです。約1年間で1万社の企業様に利用頂いている在庫管理システムです。店舗・通販・卸の在庫管理が一元化でき、スマートフォンでかんたんに商品登録や在庫登録ができる点が特徴です。はじめて在庫管理システムを導入してみようか検討している方には、取り組みやすいサービスだと思います。
また、各種通販モールなどとも連携しており、実店舗や卸の出荷で各モールの在庫数が変動するため、複数モール・複数拠点の一元管理を行おうとしている方には向いているサービスだと思います。
AiR Logi
AiR Logi(エアロジ) クラウドWMS 1日で利用開始できる在庫管理・倉庫管理システム
iPhone / Andoroid両方とものスマートフォンアプリを備えた在庫管理システムです。様々な通販モールに対応しているだけでなく、音声ピッキングや一体型伝票など、非常に多くの機能を備えているため、自社が求めている物流オペレーションに対応して機能を使いこなすことができるサービスだと思います。
また、スマートフォンだけでなくハンディターミナルのような倉庫向けのリーダー端末にも対応しており、自社倉庫から委託倉庫にスケールアップする際には、重宝するサービスとも言えるかと思います。