トータルピッキングとは?倉庫における出荷作業を効率化するピッキング方式!

日々忙しい在庫管理の現場。入出荷作業は正確さが求められるうえ、なかなか労力のかかる仕事。できる限り作業は効率化していきたいものです。

そんな中、倉庫における出荷業務のひとつ「ピッキング」を工夫することで、作業を効率化する事が出来ます。

今回は出荷業務の効率化をすすめることができる「トータルピッキング」について、メリット・デメリットを含め、説明していきたいと思います。

物流における「ピッキング」とは?

「ピッキング」とは、「商品の保管場所から出荷予定の商品を取り出すこと」です。ピッキングには主に2種類の方法があります。

ピッキングの種類やミスを防ぐ方法などについてはこちらの記事をご覧ください。

シングルピッキング・オーダーピッキング

出荷オーダーが入った商品をその都度、保管場所から取り出して出荷することを「シングルピッキング」または「オーダーピッキング」と言います。(または「摘み取り方式」と呼ばれることも)

例:アパレル企業の場合

〇〇店から発注がきました。スカートAが2枚、トップスBが2枚、ワンピースCが3枚、保管棚から持ってきて、これから〇〇店に出荷しますよ。そしてその後、△△店からも発注がきました。トップスBが5枚、パンツDが2枚、保管棚から持ってきて、△△店に出荷しますよ。このように、オーダーごとに商品の保管場所から必要な枚数だけ商品を取り出して出荷することを「シングルピッキング」または「オーダーピッキング」と言います。総出荷数が少ない場合や、出荷オーダーの組み合わせの際、個別対応が必要な場合などにも適しています。

トータルピッキング

複数の出荷先のオーダーをある程度まとまった時点で、必要な総数の商品を仕分け場にまとめて持ってきて、各出荷先に仕分け作業し、出荷する方法を「トータルピッキング」と言います。(または「種まき方式」「バッチピッキング」「総量ピッキング」と呼ばれることも)

 

例:アパレル企業の場合

〇〇店と△△店、◇◇店…など全10店舗の発注をまとめて、今日の出荷はスカートAが全店舗で20枚、トップスBは8枚、ワンピースCは35枚、パンツDは10枚必要だから、まとめて保管棚から仕分け場に持っていきましょう。その後、仕分け場で各店舗のオーダー通りに分けて、出荷しますよ。このように、複数の出荷先からの発注をまとめて、必要数の商品を仕分け場に持ってきてから出荷先ごとに仕分けする方法を「トータルピッキング」と言います。出荷先がたくさんある現場の場合に、商品を何度も取りにくる手間を省き、出荷作業を効率化できます。

トータルピッキングが効果的な現場とは?

トータルピッキングの特徴として、出荷先がたくさんあればあるほど、業務効率化を図ることが出来ます。例えば、出荷先が2ヵ所しかない企業だったら、シングルピッキングでもトータルピッキングでも作業工程は2つなので、どっちで行っても大差ありません。

しかし、出荷先が10ヵ所となると、シングルピッキングでは、10回も保管場所に商品を取りに行き、10回出荷作業を行うのに対し、トータルピッキングだと1回保管場所に行き、まとめて商品を持ってきて、仕分けて出荷する、2つの作業工程で済みます。複数の出荷先がある企業では、作業導線が大幅に減少し、作業効率が格段に向上する方法なのです。

トータルピッキングのメリット・デメリット

トータルピッキングにもメリット・デメリットがあります。自社の状況に合っているかどうか考えてから導入を検討しましょう。

メリット

・作業員の移動距離と作業時間を効率化できる。

・少ない人員でたくさんの出荷をこなせる。

・梱包前段階の数量検品が容易となる。

トータルピッキングはオーダーの数だけ発生していた「商品を取りに保管場所に行く」という作業を1回にまとめることができるので、作業員の移動距離と時間を削減し、出荷作業に割く人員を減らすことが可能です。

また、必要数の商品を全部持ってくるため、仕分け完了時に仕分け場にある商品が0になっていれば、数量に間違いがなかったことと認識することができるため、数量検品が容易になります。

デメリット

・時間的制約が必要。

・作業場所の確保が必要。

トータルピッキングは、複数オーダーが揃ってから作業を開始しないと、作業効率化は期待できません。そのため、時間帯によっては必要なピッキング指示が下りてくるまで、手待ち状態が発生することもあります。

また、仕分けするためのスペースを必要とするため、狭い倉庫の場合は場所の確保が困難だったりします。

トータルピッキングに対応する在庫管理システム(WMS)を活用しよう!

複数出荷先がある場合にトータルピッキングを行うことで作業を効率化できることが分かりましたが、トータルピッキングに対応している在庫管理システムを導入することをオススメします。全ての出荷先のオーダーをまとめて「ピッキングリスト」を発行できる在庫管理システムを使えば、各出荷先のオーダーをいちいち合計する手間が省けます。トータルの出荷数をエクセルで計算したり、人の頭で合計したりしてトータルピッキングを行うと、どうしても時間がかかるし、ミスが発生しやすいものです。あらかじめトータルピッキングを想定した在庫管理システムで手間とミスを防ぎましょう。

在庫管理システム「ロジクラ」のWMSプランを使えば、「ピッキングリスト」を出力することが出来るので、簡単にトータルピッキングを行えます。また、「ピッキングリスト」をiPhoneアプリで表示させることが出来るので、ペーパーレスでトータルピッキングができるため、非常に便利です。ハンディ、ターミナルなど専用の機材は不要。iPhoneとパソコンがあれば導入可能です。ロジクラに登録後、14日間WMSプランの無料トライアルを実施しているので、使い心地を試していただけます。「出荷件数が増えて出荷作業を効率化したい!」「売れ筋が決まっているので、ピッキングを効率化したい!」そんなときは、トータルピッキングができるロジクラをぜひ検討してみてくださいね。