中小小売事業者がマイクロフルフィルメントを構築していくための3つのポイント!

注文した商品が、数時間で自宅に届く」という、未来の物流がもうそこまでやってきている。

みなさんこんにちは。株式会社ロジクラの長浜です。
最近ウォルマートやスタートアップならInstacartなど、EC配送を高速化する手段としてますます人気が高まってきているマイクロフルフィルメントですが、今回は中小の小売企業がマイクロフルフィルメントを構築していく場合においての、重要だと思われる3つのポイントを解説いたします。

マイクロフルフィルメントとは?

そもそもマイクロフルフィルメントとは何でしょうか?

ECで顧客から注文された商品をより早く届ける為に、従来型の大きな物流センターではなく既存の店舗や、営業所など顧客の近くにある小さな規模の倉庫から配送する仕組み。このような小規模の倉庫のネットワークを総称してマイクロフルフィルメントと呼びます

アメリカのグロサリーストアや中国のネットスーパーなど、配送センターのマイクロ化に適応し、ロボティクスによってネットワークを構築するというような動きがトレンドとなっていますが、日本はアパレルや雑貨ショップなどでも細かな店舗網を既に構築しており、オペレーションを変更することでマイクロフルフィルメントに対応したEC配送を構築できる可能性を秘めているのではないでしょうか。

国内においての、マイクロフルフィルメント構築の重要性を記載してみます。

(1)出荷指示コントローラーの重要性

マイクロフルフィルメントは出荷指示コントローラーが重要
マイクロフルフィルメントは出荷指示コントローラーが重要

マイクロフルフィルメント構築のための1つ目の重要なポイントは「出荷指示コントローラー」です。

在庫を保管している拠点は分散化していますが、受注を受け付けるチャネルは1つなので、在庫がある拠点、さらにいうと在庫がある拠点の中で最もお客様に早く届く拠点に対して最適な出荷指示を出すことができるかというのがキーポイントです。

複数拠点の在庫を合算し、ECカート・モールなどの残在庫としてお客様に対しては表示をし、実際の在庫の保管拠点としてはマイクロに複数拠点に分散する。その時の最も難しい業務が出荷指示のコントロールです。出荷指示のコントロールが適切にできないと、受注ステータスで注文が止まったまま、在庫がある拠点はお客様の近くにあるものの出荷するまでのリードタイムが長くなるというような問題が発生するでしょう。

(2)欠品させない在庫コントロール

各拠点の在庫を合算してECカート・モールに反映できるスピード

各拠点の在庫を合算し、ECへの即時反映が重要
各拠点の在庫を合算し、ECへの即時反映が重要

欠品させない在庫のコントロールで重要なポイントの1点目は、複数の拠点の在庫をリアルタイムで合算して結合し、欠品させない在庫コントロールを意識することです。

例えば東京の渋谷区は在庫が5個存在し、新宿区に10個の在庫がある場合には合算した15個の在庫をShopifyなどのフロントシステム(ECカート・モール)にリアルタイムで表示しなければなりません。そのためには倉庫のオペレーション・在庫管理の正確性が重要ですし、それを可能にするシステムの構築も重要です。

拠点間の在庫移動と在庫の全体把握

各拠点間での在庫移動が重要
各拠点間での在庫移動が重要

マイクロフルフィルメントでは、拠点間の在庫移動が高頻度で発生します。マイクロフルフィルメントの目的は、在庫保管のリスク分散とよりお客様の近くに在庫を配置して配送リードタイムを短縮することですが、商品をどの拠点に配置するかという在庫のコントロールが難しいです。

これは実際の需要を見ながら適性化を図っていくことになりますが、初期段階では需要と供給ポイント(在庫の保管拠点)にズレが生じることも多く、拠点間で在庫を移動しながら適正配置を探しにいきます。在庫コントロールの観点からは拠点間の移動中の在庫はフロントシステムから在庫としてマイナスし、過剰発注を受け付けないように在庫をコントロールして売っていかなければならないのでこの点も気にしたいポイントです。

(3)大規模システムを導入しない(市場変化により在庫拠点は変わってくるので、5年単位で契約できるシステムを導入する)

ちょっとポジショントークっぽいですが、の3つめの重要なポイントはSaaSを導入しようということです。笑

在庫を置く拠点の戦略は、市場の変化に合わせて変わってきます。実際に3.11の東日本大震災の時には在庫保管の拠点を分散化しようとする流れが世の中的にも主流の考え方になってきておりましたが、その後数年間で倉庫の効率性を図るために1箇所の拠点に在庫を集約して業務を効率化するフルフィルメントサービスの勃興など、市場の変化に合わせて物流や在庫保管の戦略も変わってきました。

現在はアメリカのウォルマートや中国のネットスーパーなどの影響もあり、マイクロフルフィルメントの考えも浸透してきており今後数年間で変化が起きてくるかと思いますが、10年20年という長期スパンで見た時に在庫の戦略も変化してくるはずなので、大規模システム開発をするよりも、まずは小さく初めてSaaSを導入し、マイクロフルフィルメントを構築して欲しいと思っています!

当社は「ロジクラ」というマイクロフルフィルメント時代の複数拠点/複数チャネルの在庫の全体最適化に対応できるソリューションを提供しています。出荷指示コントローラー(OMS)のネクストエンジンなどとも連携しており、複数拠点の在庫も管理できたり、在庫を合算したり、輸送中の在庫は省いたりできる機能などを提供しており、まずは小さくマイクロフルフィルメントを始めるということができるかと思います。

(2020.9.16 追記)

【2020.9.16ウェビナー】小売企業がマイクロフルフィルメントを構築していくための3つのポイント!というタイトルにて、ウェビナーを開催しました。

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