生産効率の向上に必要不可欠な製造業の3つの在庫管理って?

モノを扱う企業には必ずと言っていいほど関わりのある業務、それが在庫管理です。
在庫数や在庫の状態をの正しく把握することは、一見すると後ろ向きな管理業務ですが、
在庫の適正コントロールによって生産効率を上げたり、顧客に納品するスピードなどの優位性によって他社と比べても競合優位性が出しやすい部分でもあります。
その中でも特に在庫管理の難しい製造業の在庫管理についてこのページで学んでいきましょう。

製造業の在庫の種類

小売りや卸売りと違い、原材料を仕入れて加工・組み立てをして生産する製造業ではその在庫の種類や点数も膨大な数になっていきます。製造段階においては非常に複雑な在庫を持つことになるのでそれを解説していきます。

まず製造業の1つ目の在庫について。それは「原材料、部品、素材」の在庫です。例えばスマホを組み立てていく生産現場を想像してみてください。スマホには中に入っているチップや、外側のハードカバー、小さいネジなど無数の部品が存在しています。商品として販売される際にはスマホは1台、2台…と数えるかもしれませんが製造業は違います。その完成商品に必要な部品も細かく在庫管理をする必要があるのです。

2つ目の在庫とは、「半製品、仕掛品」です。製造現場ではベルトコンベアなどを利用して複数人の担当者が1つの商品を組み立てていくことがあります。このような製造方式のことをライン生産方式と言いますが製造途中での半製品の在庫管理も非常に重要な役割を占めています。

3つ目の在庫は、「完成品」です。一般的に在庫と想像すると「完成品在庫」のことを思い浮かべる人も多いと思います。完成品は商品として出来上がった段階のモノであり、出荷待ちの状態の商品のことです。

なぜ製造業では、3つの在庫管理が必要なのか?

製造業の現場では必ずと言っていいほど「生産計画」があります。どの期間で、商品をいくつ製造するかというスケージュールを事前に綿密に立てていくのです。製造の現場がオートメーション化されていない限り材料品とそれを製造する担当者の調整が必要になってくるのです。担当者を配置するのは、そもそも人がいなければ製造できないので目が向きがちですが、材料については「この部品、材料は〇〇個あるだろう」という雑多な管理をしている事業者も多いのではないでしょうか。せっかく製造担当者の予定を組んで、生産に取り掛かろうとしているのに、「商品を構成する材料がない!!」なんてことはなるべく避けたいですね。

では、企業はどのようにその在庫欠品を防ごうとしているかというと、ほとんどの企業が下記のような形で対応しているのではないでしょうか。

生産ラインにおいて材料、部品の欠品を抑えるために大量発注していませんか?

現場では生産ラインで欠品が起きると生産をストップし、在庫を確認します。
その時になって初めて、帳簿上で管理していた在庫数量と、実地棚卸しの在庫数が違うということに気が付くというのは、製造業の現場においてはよくあることです。一度製造現場での材料欠品を起こしてしまった発注担当者は、次回から余分に発注をかけて欠品がないように対応をしようとしますが、これが一般的な過剰在庫の原因にもなっているのです。

つまり、在庫管理が正しく行えていないことは材料欠品やその逆の過剰在庫を引き起こす可能性となるということを認識しておきましょう。