現場が語る、アパレルの発送代行・物流委託時の注意点

こんにちは、ロジクラの塩月です。

実店舗を運用されていた企業が、ECへ販売チャネルを広げることが主流になっていますね。アパレルに特化したECだけでなく、総合ECモールもアパレルECに力を入れています。今後も アパレルEC市場規模の拡大が見込まれるでしょう。

とはいえ、アパレル商材の特徴から、アパレルECを運用する際の負荷や課題もあります。そのため、アパレルの発送代行や物流委託について検討されている事業者様も多いのではないでしょうか。

アパレル商材の特徴、アパレルECのトレンドを確認して、アパレルの発送代行や物流委託時の注意点を考えてみましょう!

アパレル商材の特徴

1. 仕入れの取引条件が複数ある

買取仕入れ:通常の卸売パターン。 仕入れ時に所有権が移り、仕入れた商品は返品できない。

委託仕入れ:返品条件付き買い取り。売れ残った場合に商品を返品可能。返品の条件を設けている場合もある。

消化仕入れ: 売上があった商品のみ買い取り。

2. カテゴリ数、SKU数が多い傾向がある

アイテムのカテゴリとして、トップスやボトムス、アウター、インナーなどがあります。衣類だけでなく、アパレル雑貨として、帽子やネクタイ、バッグなども含めると、カテゴリ数は更に多くなります。また、メンズやレディース、キッズ、ベビーと別の切り口もあります。

更に、1つの商品の下に、色やサイズでバリエーション展開があるので、SKU数が多くなります。アパレル商材は、商品のカテゴリ数、SKU数は他の商材に比べて多くなります。合わせて、商品マスタの階層、構成も他の商材より複雑になる傾向があります。運営する店舗・ECサイトといったショップの規模が大きくなるほど、SKU数も多くなるため、在庫管理をしっかり行うことが重要になります。

3. 商品のライフサイクルと季節性がある

2に関連しますが、アパレル商材はライフサイクル(回転)が早く、入れ替わりが発生します。販売計画、生産計画に基づき、シーズンごとに生産・販売されています。販売期間が限られるアパレル商材も多くあります。
また、天候や気温、トレンドによって販売量の増減があるため、在庫数や発注点など考慮すべき点があります。

アパレルECの特徴・トレンド

経済産業省のレポートによると、衣類・服飾雑貨等のEC市場は2018年に1.77兆円(前年比7.7%増)、EC化率は約13%となっています。

実店舗を運用されていた企業が、ECへ販売チャネルを広げることが主流になっているため、今後もアパレルECへ参入する企業は増え、アパレルEC市場の規模拡大が見込まれます。アパレルECの特徴としては、女性ユーザーが多いこと、他の商材に比べてスマートフォン経由の利用が多いことです。

アパレルECの課題としては、以下の3点をあげます。

1. 検針や流通加工、返品対応の工数がかかる

パンツの裾上げなど、アパレル商材ならではの業務が流通加工です。組み合わせやオーダーメイドの対応もあります。また、試着できないことによりサイズやイメージ違いが生じやすく、返品が一定数あることです。複数の画像データや口コミの表示、チャートに沿って回答すると最適サイズの提案など、アパレルECでも返品を少なくする工夫が見られます。しかし、返品対応は他の商材と比較して少なくはないでしょう。

2. 在庫量の変動、保管方法への考慮が必要

アパレル商材の特徴として、ライフサイクルと季節性により商品の販売量の増減があります。急に在庫数が増えた場合にも対応できるスペース、ファシリティが確保されているのか検討が必要です。

また、他の商材であれば、棚に保管でOKな場合もありますが、アパレル商材の場合は、ハンガー掛けなど商材によって保管方法を考える必要もあります。一般的に、ハンガー保管になると倉庫の保管効率が下がります。

3. オムニチャネルの在庫管理が煩雑

実店舗を運用されていた企業が、ECへ販売チャネルを広げることが主流になっているため、実店舗の在庫、ECの在庫が発生します。また、ECも、自社ECをはじめ、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなど、複数モールに出店される場合も少なくありません。各ショップの在庫情報が見えない、連携されていない状態だと、欠品や販売ロスが発生する可能性があります。そのため、在庫管理を一元管理するニーズが高まっています。複数モールで販売する場合は、受注管理システム(OMS: Order Management System)を使用して受注情報の一元管理も重要になってくるでしょう。

アパレルの発送代行・物流委託時の注意点

アパレル商材の場合、他の商材と比較して対応する業務、注意する点が多くなる傾向があります。

そのため、アパレルの発送代行・物流委託を検討される際は以下の点を確認することをおすすめします。

  • アパレル商材ならではの流通加工(裾上げ・丈詰めなど)、検針、商品のタグ付け替えに対応できるか
  • 季節やトレンドによる、在庫量の変動に対応できるか
  • 保管方法は適切か(棚にダンボールで保管だけでなく、専用のハンガーラックにかけての保管が可能か)
  • 返品対応のオペレーション、費用についてどのように設定されているか

もちろん、アパレル商材に特化した発送代行・物流委託事業者が存在します。どうやって発送代行・物流委託事業者を探せばよいか分からない方のために…

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# 参考

・繊維産業の現状と経済産業省の取組
・https://ecnomikata.com/ecnews/22302/