
欠品を防止することで通販売上アップ、業務効率化へ
せっかくご注文いただいたのに、商品の準備ができない。
「欠品」によるチャンスロスは、通販店舗にとって売上確保を阻害する深刻な問題です。
本記事では、ECにおける欠品問題に注目します。
まずは、欠品の意味と発生原因を確認し、防止するための5つの対策方法を解説。さらには、欠品しないための在庫管理の仕組み作り、在庫管理システムについてもご紹介します。
本記事を読むと、通販事業に関わる担当者様、商品の「欠品」対策を講じ、売上アップに繋げる確実な方法のヒントを得ることができるでしょう。
目次
欠品とは
「欠品」とは、お客様から注文をいただいた商品数に対して、店舗側の在庫数が不足していることを言います。
欠品は原則、入荷予定がある(在庫確保が可能な)商品の場合に使用し、生産終了などで今後再入荷の見通しが立たない場合は「完売」を使います。
関連する指標である「欠品許容率(安全在庫)」について知りたい方は、下記記事をご覧ください。欠品によって起きる影響とは?
欠品は、買う側にも売る側にもデメリットしかありません。
ここでは、欠品によって起こる店舗側への影響について、掘り下げてみます。
クレームによる企業イメージの低下
商品在庫が欠品することで、ご注文いただいたお客様からクレームがくることは当たり前と言えます。お客様の立場からすると、購入したのに手に入らないわけですから当然の反応ですよね。
購入時は「欲しいものを買えた」といった好意的なイメージを持っていた分、欠品によって店舗に対するイメージは一気にマイナスに転じる事態となります。
また、そういったネガティブな内容の口コミ投稿があった場合、レビューを目にした多くの人にとってもショップへの信用度や魅力の低下に繋がります。このように見込み顧客による販売機会を失うことを考えれば、いちクレームであっても企業イメージへの影響力は多大です。
例え1件クレームでも、重大な経営課題になる事は十分あり得ると言えるでしょう。
お詫びの連絡をする際の手間
もう1つは、欠品発生によって店舗側の作業工数が格段に増えることです。
欠品したことを、購入者にメールや電話でお伝えしまずはお詫びしなければなりません。ご要望に応じて注文キャンセルなどの対応も各々必要となります。人気の売れ筋商品であればあるほど購入者は多く、充分な在庫を確保できていなかった際の作業負担は重くなりますよね。欠品は、定常運営業務以外の物理的な手間を、お詫びするという心理的な負担とともに運営スタッフに強いてしまいます。
欠品を起こしてしまい、お詫びをする際の対応については下記記事にて紹介をしておりますので、
是非ご参考下さい。
欠品が起きる原因とは
さて、欠品はどのような原因で起こるのでしょうか。欠品の多くは、在庫のデータ情報と実際の物の数や状態が一致していない「情物不一致」に起因します。情物が一致しない状態を引き起こす3つのシーンにフォーカスしてみましょう。
入庫/出庫時の計上ミス
1つ目は、入庫/出庫時の計上ミスが考えられます。
在庫数の変化が大きく日常的に実施される入庫/出庫業務は、最も人的ミスが起こりやすい工程と言えるでしょう。
作業者の思い込みによるものや作業者間の伝達漏れなど、一つ一つは些細なミスであっても、生じた在庫のズレに気づかないまま処理されると、ゆくゆくは欠品という大きなトラブルにつながってしまいます。作業者個人のミスというよりも、現場を統制する管理体制や業務フローが存在しない場合も珍しくありません。
棚卸しや庫内移動時の計上ミス
棚卸し時の計上ミスも同様です。情物不一致が起こりやすく欠品原因の一つになります。
また、商品の保管場所を移動したあと、どこに何がいくつあるかといった情報が共有されていないと、見落としや思い込みで、実在庫とデータ上の情報に差異が生じるきっかけに。整理がされていない乱雑な倉庫は、欠品問題と常に隣り合わせです。
→ 参考記事:在庫回転率とは?適正在庫を保つための方法をご紹介。
拠点毎にある在庫情報を一元管理できていない
商品在庫をいくつかの倉庫にて保管・管理している場合、各拠点の在庫情報を一元管理できていないと、正確な状況をタイムリーに把握することは難しいでしょう。
例えば、他の拠点に在庫があった場合でも、データ上で確認できなければ欠品と判断するしかないですよね。
複数拠点の在庫状況を一元管理できていれば、拠点合計の全在庫数から注文に応じて減らすことが可能となり、売り逃しを防ぎます。
また、どこの拠点に何点あるか?の確認の手間が省け、運営業務も効率化できます。
欠品を防止するための対策方法とは?
欠品を防止するためには、情物の不一致を起こしづらくすることが大事です。対策方法を5つご紹介します。
倉庫内の整理整頓
多くの物が出入りする倉庫内は常に整理整頓を心がけましょう。
保管ルールや置き場所を決めて周知徹底、在庫状況が一目でわかるように整頓した状態キープが、欠品防止の基本です。
入出庫作業の標準化
入出庫作業は、共通の作業フローやルールに則って実施することが大切です。属人的になっている業務を今一度見直しをし、誰が実施しても同じになるようにテコ入れを。
人的なミスが大幅に削減できれば正確な入出庫が実現し、多くの欠品問題は解消されるでしょう。
定期的な棚卸し作業の実施
実在庫状況を把握し、データ上に正しく計上することで情物の不一致は起こりづらくなります。
そのためには、定期的な棚卸しの実施が効果的です。在庫状況をこまめに把握して、不明瞭な在庫があれば原因究明。早期に解決することで、差異に気づかないまま欠品を発生させてしまうリスクを減らしていきましょう。
商品持ち出しのルール作り
商品の持ち出しに関しても共通認識が必要です。「持ち出すときは記録をとる」などの具体的なルールがあれば在庫のズレは起きません。イレギュラーなシーンこそどう対応するかを明確にしておくことが大事です。
在庫管理システムの導入による在庫の見える化
在庫管理システム(WMS)を導入し、現場に新しい仕組みを作ってしまうのも一案です。
在庫管理システムとは、商品の入出庫(数量や単価)などの在庫状況を見える化し、リアルタイムに管理するためのソリューションです。
これまで人に依存していた在庫管理をシステムに任せることで、人的ミスを防ぎ正確な管理が実現。データと実在庫の差異による欠品が激減することから、今導入する企業が増えています。
在庫管理とは〜WMS(在庫管理システム)を導入するメリット〜
ロジクラを用いた解決事例
在庫管理システム「ロジクラ」を導入し、欠品問題を解決した実例を一社ご紹介します。(有限会社山七商店様)
自社と委託倉庫3拠点の在庫状況を見える化。在庫の少ない商品を予め把握し拠点間の在庫移動を実施、適切なタイミングで販売停止をジャッジするなど、現場に欠品を防ぐ仕組みが確立しました。
また、現場でのコミュニケーション工数が減り人件費の削減にもつながったそうです。
→ 参考記事:ロジクラ×ネクストエンジン連携で自社と委託倉庫の在庫を一元化、在庫ズレや欠品の削減に成功!人件費は50%削減!有限会社山七商店
導入するべき在庫管理システムとは?
欠品の防止に在庫管理システムの導入が効果的とご案内しました。では、どういった在庫管理システムが最適か、選ぶ際の見極めポイントを3つご紹介します。
年齢・人種を問わず操作可能なシンプルさ
在庫管理システムは、年齢や人種を問わずに操作できるシンプルなものが断然おすすめです。
多機能を搭載したシステムは一見便利そうで選びたくなりますが、IT機器の操作に慣れていない現場に導入した場合、どうでしょうか。作業が滞り、混乱をうむ可能性が高くなるかもしれません。業務の効率化のため導入したのに、それでは本末転倒ですよね。
「直感的に分かるか」「簡単に操作できるか」といった視点から選ぶことが実は重要です。
結局のところ、シンプルな在庫管理システムの方が物流の現場にはスムーズに導入可・早期に活躍、業務全般を効率化しながらミス防止と欠品予防に貢献すると言えます。
複数拠点の在庫を一元管理可能
2つ目として、複数拠点の在庫情報を一元管理できるものがおすすめです。
入荷・管理・保管・出荷を行っている拠点を登録、通販店舗の在庫表示と同期すれば、在庫数に合わせた販売調整ができるようになり、欠品しない仕組みが出来上がります。
また、商品移動などの事前対応ができるようになるので、在庫配分をコントロールしながら最大限の販売機会を創ることが可能に。
さらには、電話やメールで行っていた在庫確認の作業が不要になることから、運営業務が格段に効率化します。
多様な周辺システムとのAPI連携が可能
最後に、外部システムとの連携できるかの確認は必須です。
多様な周辺システムとAPI連携(APIを活用したアプリケーション同士の連携)できれば、物流業務全体が一気に自動化します。
例えば、受注管理システムと連携した場合、EC各モールの受注情報がボタンひとつで自動取込でき、ピッキングや発送作業の着手がスムーズになるでしょう。
API連携により、作業時間が大幅に削減され現場業務が効率化。それにより人件費などのコスト削減も期待できます。
さらには、自動化で人的ミスの発生が予防でき、正しい在庫管理ができることから欠品等のトラブルが激減。顧客満足度向上、さらには売上アップにつながるのです。
まとめ
無駄なコストや販売機会損失を招く欠品は、通販店舗にとって深刻な問題です。
欠品は、在庫状況を正確に把握・管理できていないことに起因し、発生防止には「情物一致」をさせることが大切とお話ししてきました。具体的には、以下の対策が効果的です。
・倉庫の整理整頓
・正しい入出庫業務・棚卸業務の実施
・イレギュラー業務のルール化
・システム導入による在庫情報の見える化
中でも、在庫管理システムの導入は、欠品の原因となっている現場の問題点を根本から解決できる可能性大です。物流業務全体を最適化し、コスト削減や売上アップが期待できます。
在庫管理システム「ロジクラ」は、入荷から在庫管理、受注オーダーの自動取り込みから出荷までの全ての物流オペレーションを一括管理することができるソリューションです。
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